南足柄市立図書館の在り方
平成21年8月 南足柄市立図書館
はじめに
南足柄市立図書館は、昭和63年7月に地域に密着した市民参加型の図書館として開館し、市民ボランティア及び関係団体等の支援を得て今日に至っています。
これまでの歳月のなかで急激な時代の変遷や、図書館利用の変化に対応して図書館運営も様変わりしてまいりました。塚田図書館の閉館に伴う女性センター図書室の開所、福沢図書室の充実、電算システムの更新時には貸出冊数の拡大や図書検索の充実、インターネット予約の開始、図書館ホームページの開設、そして市立図書館駐車場の確保等、サービスの充実を図ってきたところです。
今日の図書館は時代の進展・変化に伴い高度化・多様化する市民の学習ニーズに対応するため、迅速かつ的確に必要な資料や情報を収集することが求められています。
そこで、平成20 年4 月に今後の南足柄市の図書館の在り方を検討するために、「南足柄市立図書館市民検討会議」が設置されました。公募による利用者代表、地域代表、生涯学習団体の代表、学識経験のある者、学校教育の関係者により、平成20年5月から平成21年1月までの間に8回、分科会を9回開催し、討議を重ねながらこれまでの図書館運営の課題を検討し、これからのあるべき図書館について様々な角度から検討し、その結果が「南足柄市立図書館の在り方」として報告されました。
さらに、南足柄市立図書館の在り方について、図書館市民検討会議で出されたものを基に図書館協議会において協議を重ね、「南足柄市立図書館の基本方針」として取りまとめました。
これまでの歳月のなかで急激な時代の変遷や、図書館利用の変化に対応して図書館運営も様変わりしてまいりました。塚田図書館の閉館に伴う女性センター図書室の開所、福沢図書室の充実、電算システムの更新時には貸出冊数の拡大や図書検索の充実、インターネット予約の開始、図書館ホームページの開設、そして市立図書館駐車場の確保等、サービスの充実を図ってきたところです。
今日の図書館は時代の進展・変化に伴い高度化・多様化する市民の学習ニーズに対応するため、迅速かつ的確に必要な資料や情報を収集することが求められています。
そこで、平成20 年4 月に今後の南足柄市の図書館の在り方を検討するために、「南足柄市立図書館市民検討会議」が設置されました。公募による利用者代表、地域代表、生涯学習団体の代表、学識経験のある者、学校教育の関係者により、平成20年5月から平成21年1月までの間に8回、分科会を9回開催し、討議を重ねながらこれまでの図書館運営の課題を検討し、これからのあるべき図書館について様々な角度から検討し、その結果が「南足柄市立図書館の在り方」として報告されました。
さらに、南足柄市立図書館の在り方について、図書館市民検討会議で出されたものを基に図書館協議会において協議を重ね、「南足柄市立図書館の基本方針」として取りまとめました。
1.南足柄市立図書館の基本方針
南足柄市立図書館は、時代の進展・変化に伴い高度化・多様化する市民の学習ニーズに対応するため、迅速かつ的確に必要な資料や情報を収集し、市民への提供に努めます。また、南足柄市民憲章の「教養を豊かにし、文化の高いまちづくり」を目指すとともに、市民の参加と協働を得て、市民に密着した図書館の運営を図ります。
- 地域の歴史、文化、産業などの特色を活かし、地域の発展やまちづくりに貢献できる文化・情報の拠点として、さまざまな分野に役立つ図書館を目指します。
- すべての市民に親しまれ、気軽に利用できる図書館を目指します。
- 図書業務に係る専門的資質の向上に努め、より豊かに、質の高いサービスの提供に努めます。
- 学校・家庭・地域等と連携し、子どもが読書に親しむための読書環境を提供するとともに、子どもの読書活動を支援します。
- 市民や図書館を取り巻く団体と連携し、市民と協働して図書館運営や活動の充実に努めます。
2.基本方針を推進するための課題と施策
基本方針の推進にあたっては、市民検討会議での意見や図書館協議会での検討事項を反映し、時代の変化に的確に対応するため、重点的に取り組むべき8つの課題を設定し、サービスや項目ごとにより具体的な「在り方」を定めます。
2.1 市民のための図書館経営
公共図書館は、市民すべての生涯学習を支え、文化の拠点としての役割をもつ施設であり、また、地域の文化・情報の拠点として市民の生活に必要な様々な情報提供をする施設でもあります。その目的はすべての住民に文化的で潤いのある生活を営む権利を保障し、且つ住民の知る権利を保障することにあり、そのために次の具体的施策が必要です。
- 基本方針に基づく年度の運営方針や施策の実施
- 図書館事業の実施
- 講座、講演会、映画会等の企画、実施
- 講師となれる人材情報の収集活用
- 大人のための図書館探検隊の実施
- おはなしボランティア養成講座を実施し、新しいボランティアとなる人材の養成
- 図書館ボランティアとして「図書館応援し隊」の募集・支援
- 図書館関連団体への会議室・視聴覚室等の利用の支援
- 他市町図書館との連携強化
- 県立図書館出前講座等の活用
2.2 図書館サービス
図書館サービスは市内全域におけるすべての市民が公平に受けられるものでなければなりません。現在の3施設体制の図書館サービス網にこだわらず、市民だれもが利用しやすい図書館運営を目指します。
- 図書館サービス網の充実
- 女性センター図書室の図書館としての機能の充実
- 市立図書館、女性センター図書室、福沢図書室の3施設によるサービスの提供
- 団体貸出の充実のため、学校、関係団体等に対する働きかけと広報活動の充実
- 図書館資料の充実
- 収集計画の確立と資料の収集
- 郷土資料の積極的な収集と市民の財産として、無形文化財、古文書などの資料の保存
- 行政資料などを収集・保存し、地域資料・地域情報センターとしての図書館の機能確保
- 雑誌、新聞は専門分野だけでなく、趣味や子育て、健康、就業等市民の生活に役立つ幅広いタイトルを収集
- 視聴覚資料の充実
- 資料・情報提供の充実
- 本・雑誌・視聴覚資料などの貸出、予約、リクエストサービスの充実
- 新着図書案内などの情報提供の強化
- 子どもの読書活動に対するサービスの充実
- おはなし会の開催
- ブックスタート事業の支援
- 子どもの読みたい知りたい気持ちに応えられる資料(本、紙芝居等)の充実と、子どもの本に詳しい職員の養成
- 保育所、幼稚園、小中学校、学童クラブ等との連携強化
- 「いきいき子ども読書プラン」の検証
- 障がいを持つ子どもや外国籍の子どもへのサービスの充実
- レファレンスサービスの充実
- 図書館の職員全員がレファレンス業務に適切に対応できるための研修の実施
- レファレンスの具体的な事例の館報掲載
- コンピューターを活用したスピーディーなレファレンスサービスの検討
- 図書館利用が困難な人へのサービスの充実
- 点訳、音訳資料の充実
- ボランティアの協力による対面朗読の充実
- 手話などができる職員の配置
- 「利用者の声」の設置
- 定期的なアンケート調査の実施
- 高齢者サービスの充実
- 大活字本の充実
- 来館困難者宅や施設などへの配本サービスの検討
- 在日外国人へのサービスの充実
- その他のサービスの充実
- ヤングアダルトコーナーの充実
- ビジネス支援コーナーの充実
- げんき計画コーナー、闘病・体験記コーナー、法律情報コーナー等、特集コーナーの充実
2.3 職員体制
図書館資料と利用者を的確に結びつけるために、また、図書館サービスをより充実したものとするためには図書館職員の果たす役割は大きく、図書館と資料に関する知識と技術のみならず、あらゆる利用者に適切なサービスを提供できる資質と能力が求められます。そのためには、専門的な知識と能力を持ち、地域情報に精通した専門職員(司書)の配置が必要です。
- 図書館職員
- 適材適所な人材の配置
- 司書の専門性を高めるための研修参加
- 職員のスキルアップ強化
- 専門分野に精通した知識や技術を持つ職員の養成
- 図書館長
- 適材適所な人材の配置
2.4 図書館ネットワークの整備・充実
図書館サービスは、他の図書館や関係機関とのネットワークを形成することによって豊富な資料と情報の共同利用が可能となります。そのためには、図書館間のネットワーク形成と相互貸借サービスの充実が必要です。
- 図書館間の連携と協力
- 県図書館情報ネットワーク事業(KL-NET)・相互貸借の充実
- 広域利用の促進
- 学校・幼稚園等との連携・協力
- 図書館見学会の充実
- 学校への団体貸出
- 団体貸出対象資料の拡充
- インターネット予約での団体貸出の充実
- 行政部局・各種団体・機関との連携
- 行政資料の収集・整備
2.5 図書館協議会
市民の声を反映した図書館運営を進めるためには図書館協議会の活動は重要であり、利用者、市民の代弁者として積極的な活用が求められます。
- 図書館協議会の存在を市民にPRし、協議会の開催状況を図書館報等に掲載
- 図書館協議会委員の選出区分の検討
2.6 市民参加型の図書館(利用者や市民活動との協働)
市民に開かれた図書館とするためには、図書館の基本方針、運営方針、年次計画及び施策目標などを確実に掲げ、それを市民に公開する必要があります。同時に、それらに対する利用者からの意見を聴き、図書館サービスの質的向上(利用しやすい図書館作り)を図ってゆくことが大切です。
これからの図書館には、より積極的な市民の図書館活動への参加が必要となり、そのためには次のような市民参画の“場”やシステムが求められます。
これからの図書館には、より積極的な市民の図書館活動への参加が必要となり、そのためには次のような市民参画の“場”やシステムが求められます。
- ボランティア養成講座の実施
- 図書館応援し隊の募集・支援
- 図書館ボランティア等との交流の場の設置
2.7 広報活動の重視
市民の図書館利用を拡大するためには図書館のPR活動を強力に推進する必要があります。
- 図書館広報誌「みなみ風」の発行回数を増やし、タイムリーな情報の提供
- 図書館の利用に関する講座の充実
- レファレンスサービスについてPRの実施
- ホームページの充実
2.8 その他
- 個人情報保護の徹底
- 継続的な予算の確保
【検討結果】
南足柄市立図書館の指定管理制度の導入について
南足柄市では、平成25年2月に平成25〜27年度の「南足柄市行政改革推進プラン」を策定し、その中で図書館についても、27年4月から民間活力導入を推進する観点から指定管理者制度へ移行することが示されました。図書館の指定管理者制度導入等については、広く市民の意見を聴くため、25年4月に「南足柄市立図書館市民検討会議」を設置して検討を重ね、同年8月に報告書がまとまりました。
続いて25年9月20日に、南足柄市立図書館の指定管理者制度の導入について、図書館協議会に諮問を行い、同年12月17日に答申をいただきました。答申の内容は、「市民参加と協働を得た市民のための図書館を運営するために、指定管理者制度の導入をせず、市直営で行政が運営していくことが必要である」というものでした。
市では、図書館協議会の検討結果が各界各層からなる図書館市民検討会議の報告書を基に、慎重に審議されたものであることから、この答申を尊重し、今後も当分の間、指定管理者制度を導入せず市直営で運営することとしました。